体裁;特殊ビニールケース入り/本P56(文、小林健二、鷹見明彦、田熊秀樹)/小林健二オリジナルプレパラート+顕微鏡撮影ポジフィルム付き
データファイル/ポストカードセット(5枚) 装丁;小林健二 価格;5,000円 発行;ギャラリー美遊

(前略 )
そんな中で、ぼくはとても美しい世界を夢みることがある。息も詰める均衡や危うい壊れそうな瞬間ではない。全ての物質や非物質、命や現象や思想や流れ、全ての存在がゆるぎない安心で祝福されている世界。極微なものから極大な事象までもが、全て否定されること無く、自身のエネルギーの海を理解し、輝くような喜びに満たされている世界。ムダなものなんか原始一つもありはしない。尊大と絶望が中和して、もはや不安な夜もさみしい過去も風景への彩りと変わるんだ。ーもう平気だよ、誰も一人じゃないんだー

 ある日、ぼくらは風景の中に一つの実験点を開始しよう。そして最初に感じることに少し不安なら、顕微鏡や望遠鏡という言葉や意識の翻訳機構を、森のような大地の上で使用してはじまってゆくんだ。組織や天体や流れや重力が、ぼくらの立っている座標を教えてくれるはずなのさ。まだまだぼくらにできることって、いっぱいあるって、きっとアートって誰でも参加できる林間学校みたいなものなんだ。みんな子供の心になって、本当に知りたいこと、本当に愛したいこと、そして本当にきみだからこそやれることが、心の中で勇気になるんだ。やがて意識の朝が訪れて、ぼくらの望みが地軸や銀河の方向とぴったりになる日がやって来るのさ。
                                              小林健二「EXPERIMENT 1」より


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